

『タルタロスの審問官』『七匹の蛾が鳴く』のシャルコ警視。『死者の部屋』のリューシー警部補。二人の主人公が同じ一つの事件を追う、ファンには嬉しい展開の本書。
恐ろしい死体が五体、発見される。それらはいずれも、脳と眼球が取り出された後埋められていた。ファルコは事件の調査に取り掛かる。同じ頃、女性警部補リューシーもまた異様な事件に鼻先をつきつけている。かつて出会い系サイトで知り合い、一時は恋人だった男が失明したのだ。彼は映画のコレクターで、広告を見て亡くなった収集家のコレクションから幾つかのフィルムを買いつけた。その中のひとつ、ラベルのない謎のフィルムを見た直後、失明してしまったのだった…。一見無関係に見える二つの事件が緩やかに絡まりあい、やがて一つの方向を指し示す──。
今回は、個人的には悪くない読了感でした。
シャルコとリューシーが出会い、行動を共にするという展開も良かったと思います。
良くも悪くも地に足のついたタイプの筋立てで、滅茶苦茶な猟奇的殺人かと思いきや、実は…という、納得のいく内容となっています。
全体的に「奇をてらわず・大きく出て行こうとせず」の手堅いストーリーなので、万人向けではないかなとも思います。
今回の事件はきちんと終わりますが、巻末は次の事件を明示する「続く」モードで幕引きとなります。
その「続き」部分も翻訳版が発刊予定とのことですので、楽しみに待ちたいと思います。











